<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第121章 愛の独白 ― 姫&武将 ―
こちらから呼びに行かないと、きっと誰も近づけない程、私の嬌声が響いているのかと思うと、今更ながら恥ずかしくてしようがない。
でも貴方のその手が私を恥ずかしさから遠ざける。
触れるその優しい手は、でも、私の触れて欲しいところを絶妙に触れる。
だから私は歓喜に包まれ、もっとと貴方を求めてしまうの。
私をこんな風にしたのは貴方の罪。
貴方は私のこんな姿態に悦んでいるわ。
貴方無しでは私のからだは飢えてしまう、きっと、たぶん。
だから、今も貴方の探る手が、私を悦楽へ堕とすのを愉しんでいるわ。
まさか貴方と恋仲になった時、こういう風になるとは思わなかった。
快楽への舟に乗り、急上昇から急降下する激しい荒波の中、私のからだは悦びを求めてやがて一人で滝つぼへ落ちてゆく。
「ああ、舞のからだはやはりすごいな…」
貴方のつぶやきで、私も貴方が満足している事を確認するの。
二人の愉悦はまだ終わらない。
時を超えて、私は貴方に恋するため、この時代へ来たの。
そう、貴方を愛して、貴方から愛されて、私達の愛は少しずつ育まれて。
「舞、愛してる」
私も、勿論、貴方を愛してるわ。
<終>