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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第118章 おんなどうし ― 姫&寿桂尼 ―


反対に私が伺うと、寿桂尼様は頷く。

「何故疑う必要が有ります?舞殿を見ていれば嘘を言っていないのはわかりますよ。
さ、お話ししてください。500年後の世はどんな世なのですか?」

寿桂尼様は更に目を輝かせて、新しい知識を得る事を多いに喜ばれていらした。

私は続けて、どうして信長様の許にいる事になったのか、この時代の生活をどうやって慣らしていったか、安土の武将様との出会いと衝撃だった事、そして未来の生活がどういうものか、この時代と比較しながら延々とお話しした。

寿桂尼様は幼児がおとぎ草紙を読んでもらって喜ぶように、私が話す未来の生活様式に驚かれながらも、こちらはどうなっているの、あれはどうなっているの、といろいろ質問されるので、私もその好奇心に驚きながらも、楽し気に聞かれる寿桂尼様に説明する。

「ああ、本当に楽しいお話しでした。舞殿、ここに残ってくれてありがとう」

寿桂尼様に、ワームホールから逃れ、この時代に義元さんの為に残った事をお話しした時、寿桂尼様は驚かれ、でもとても嬉しそうに私に礼を言ってくれた。

「これからも義元殿をよろしくお願いしますね、舞殿」

「勿論です、寿桂尼様」

「貴女のようなかたが義元殿と恋仲になってくれて、私は本当に嬉しい。
義元殿はおっとりしすぎなところが有るので、舞殿のようにしっかりした女人が、側にいてくださるのが必要なのです」

寿桂尼様は私のお話しに疲れを覚えて休むとおっしゃり、私はその間義元さんのお部屋へ行くよう言われたので義元さんのお部屋へ行き、そして、義元さんと二人だけの甘い濃密な時間をしばらく持つでしょう…

私の秘密は寿桂尼様と共有する事で、私は寿桂尼様とおこがましいけれど、一段と仲良くなれたような気がするの。

義元さんもいつか知るだろう、私の秘密は、今は寿桂尼様と私だけ、おんなどうしの秘密。


<終>
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