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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第117章 助ける ― 家康&姫 ―


二人の協力を得て、俺は春日山城の舞の居る牢へ行く事が出来、そこで聞き覚えてのある柔らかい声と、低いおとこの声を聞く。

上杉謙信が事もあろうに、舞にちょっかいを出しているのを見て、俺はすぐさま出て行って舞に触れるな、と一言煮えくり返った声を抑えて言った。

「ほう…徳川家康…よくここまで来たものだな」

俺達は刃を合わせ、最後は無事に舞を助ける。

「家康、家康…!」

舞は俺に抱き着いてき、俺は舞をしっかり抱き留め、更に横抱きにし牢を去る。

去る瞬間見た上杉謙信の表情は、舞を欲しているような切ない色に見えたが、俺の見間違いだと思い込む。

春日山城を出て、馬に二人で乗り、俺は馬を走らせる。

舞、無事で良かった、俺は心底、俺の前に座る舞の姿を見て安心する。

馬を駆りながら、片手でぎゅっと舞を強く抱き締める。

「家康…ありがとう、助けに来てくれて。かっこ良かったよ…」

あんたが無事なら、とにかく俺は良かったんだ。

俺は舞の額に口付けを落とし、一言だけ。

「帰ったら容赦しないよ、お仕置きだからね」

「ええーっ、お仕置き?怖いなぁ、嫌だぁ」

と言っても、甘いお仕置きのつもりだけどね。


<終>
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