<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第113章 綺麗なものが好きだから ― 義元&姫 ―
「義元さん…」
舞の艶めいた声と、色気を含んだ瞳が俺を呼ぶ。
俺は微笑み、舞の顔を覗き込んだ。
「どうして欲しい?きみの口から聞きたいんだ」
「それは…」
俺は、舞からおねだりを言うまで待っている。
安土の市で、俺の好きな綺麗なものを探していたら、舞に会った。
舞は針子で着物を縫う為、反物を買いに市へ来たと言う。
綺麗なもの、ここにあるじゃない。
俺は舞を誘って今、こうして居るのは、市から外れたところにある宿屋。
「着物、全部、脱いで」
「え…どうしてですか、そんな事する理由がありません」
「俺、綺麗なものを見たいんだ。今、俺の目の前に、綺麗な存在がいるから、一糸まとわぬ姿で見たいのは当然だろう」
俺の様子に、俺が本気である事に気付いた舞は動揺して瞳を揺らす。
「え…だって、綺麗かどうかは置いておいて、着物を全部脱がなきゃいけないなんて、さすがに恥ずかしいですよ」
「どうして?俺は綺麗なものを見たいだけだよ?さ、早く脱いで、見せて」