• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第11章 軍神の月  ― 謙信 ―


秋の色は切なさを含んで舞の周りを染めていく。

俺は何を欲している?

俺はどうしたい?

夢の中で、伊勢姫が問い掛ける。

貴方は幸せ?

ああ、舞がいる限り、幸せを掴んだと思っている。

伊勢姫、おまえを幸せには出来なかったのは悔恨の極みだが。

伊勢姫は夢の中で俺に微笑みかける。

-そんな事ないですよ、ありがとう、貴方は私に一時でも幸せをくれた。

-これからは今、側にいるかたを幸せにして。

杯にも月が宿る。

俺は宿った月を飲み干す。

全てを飲み込み、軍神として、走り続ける。

側に舞がいる限り。

舞を守る為。

月よ、その力を俺に寄越せ。

俺が軍神であり続ける為に。

月の光が俺を軍神として生まれ変わらせ、新たなちからを得て、守るものを守るため、ひたむきに俺は先へ先へと向かうのだ。


<終>
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp