<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第110章 想像で変わる ― 光秀&姫 ―
「こどもじゃないですよ、そりゃあ光秀さんから見たら、まだ小娘かもしれませんけれど…」
「ほう、小娘なのは肯定するか」
俺は舞の変に素直なところがおかしくなって笑うと、舞は俺の様子を見て目を見開いて驚いたように言った。
「光秀さんもそんな風に笑うのですね!」
「何だ、俺が笑ったらおかしいか?」
「いいえ、とても素敵な笑顔です。もっと笑えば良いのに」
舞に思った事のない事を言われ、俺は笑うのを止め、舞を見つめた。
想像した事のない言葉に、舞は俺を変えていく、そんな気がした。
俺は舞を見つめたまま、片手をあげ、舞の頬をそっと撫でる。
遊んできたおんなと違う、清楚な艶をもつ舞の頬はあくまで柔らかい。
熱を冷ます為に、一晩限りのおんなたちと交渉は持ってきた。
中にはとんでもない性癖の持ち主もいて、俺すら驚くような事を懇願してくる者もいた。
この小娘を抱いたらどうなるのだろう、俺はふと、そんな事を考えた。
俺の想像を飛び越える発言をする、この頭の中がからっぽのはずの小娘を抱いたら、俺の何かが変わるのだろう。
俺は自分の熱を静めるため、というより、ただの好奇心で舞と肌を合わせたくなった。
想像出来ない明日を、舞のからだで、どんな日になるのか教えてもらおうか。
<終>