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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第109章 ずるくてかっこいい貴方 ― 姫&政宗 ―


政宗は一言、横抱きにした私に言うと、そのまま口付けしてきた。

その場で政宗は座りこみ、私は抱かれたまま口付けを受け、政宗は器用に私の帯を解いてしまう。

そして政宗はするりと私の着物を脱がせてしまい、襦袢を乱してゆくの。

「も…政宗…ちょっと、待って…」

「待たないし、待てない」

政宗はあっさり私のお願いを拒否して、私の心を熱くしてゆくの。

「おまえ、熱いな」

政宗の言葉で、ますます私はからだに熱を含んでいくわ。

そして政宗の唇が私のからだを這い、私に無数の赤い痕をつけてゆく。

「…はぁっ…」

吐息が漏れ、政宗は私の様子に満足気に片頬に笑みを浮かべる。

かっこよすぎるよ、政宗、ずるい。

私は心からそう思うけれど、政宗の甘い動きに全てが飲みこまれ、言いたい事も言えなくなってしまう。

政宗の溶けてしまいそうな優しい手のひらで全身を撫ぜられ、甘い夢の中に入り込んでしまいそうな気持ちにさせられる一時に、私のからだと心は愛の中に飛び込む。

ねぇ、政宗、馬に乗る時もうまくなろうと思ったけれど、貴方に引っ張り上げてもらおうかな。

一人で乗るのも大切だけど、風を切る貴方との疾走を、私はやっぱりもっと感じたい、かな。

ほんと、政宗、貴方ってずるくて、私が悔しくなって、でも、かっこいい。


<終>
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