<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第109章 ずるくてかっこいい貴方 ― 姫&政宗 ―
「だいぶ馬に乗るのも上手になってきたな」
政宗が褒めてくれた。
「ほんと?家臣の人達にも教えてもらって練習したんだよ」
政宗から馬の乗り方を習いつつ、政宗が忙しいので家臣の人達からも教えてもらい、一人で練習もした甲斐があって、ようやく一人で馬に乗れるようになってきたの。
「しかし乗る時はすさまじい恰好で乗ってるな」
馬に乗る時はへばりつくように乗っているので、その姿が政宗から見ると笑えるらしい。
しようがないでしょ、政宗みたいに足は長くないし、身長も無いんだから。
私がそう言うと、政宗は「ははっ」と笑い声を上げた。
「これから足が伸びるかもしれないぞ?」
「そんな訳ないでしょ!何ばかな事言ってるのよ」
政宗のからかいに、こちらも言い返すけれど、政宗は私を見てニヤニヤしているだけ。
もう、ほんと、政宗、かっこよくて、だから、悔しい。
絶対一人で乗りこなせるようになってみせるから!
私は決意して、また政宗が不在時を狙って、家臣の人達に協力してもらってこっそり練習を続けたわ。
おかげで乗ってから走らせ、降りるまでは、家臣の人達も褒めてくれるまでに上達したわ。
でも問題はやっぱり馬に乗る時で、なかなかかっこよく馬に跨げないの。