<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第105章 貴方を愛してる ― 姫&政宗 ―
艶めく衣が、月光に反射して、更に深い色を見せる。
その衣の下に私のからだと貴方が絡み合う。
貴方が脱ぎ捨てた夜着は、月灯りでほのぼのと紺の濃淡を表しているけれど、貴方自身は私を腕枕して白い布団にくるまり、今も瞳を閉じて眠っている。
ねぇ、私、貴方の寝顔を見るの、大好きなの。
そんな事を言ったら、貴方は私の鼻をきゅっと摘まんで、少し照れて「見るな」って言うかな。
でも貴方の整っていた、眠る顔は、私以外の人には見せていないだろうし、私だけのものだから、堪能させてよね。
「政宗、大好きだよ」
私はそっと、眠る貴方に告白する。
眠っていたはずの貴方は私の言葉に片目をぱちりと開け、起きて私の告白を聞いていたらしく、にっと笑みを浮かべ、そのまま私を抱き締める。
「あー、可愛い。おまえ、どうして、そんなに可愛いんだ」
私を抱き締めてそう囁く貴方。
「ひどい、起きてたんだ」
私は抱き締められたまま、抗議の声を上げるけれど、貴方はそんなのどこ吹く風。
「俺を誰だと思ってる?」
からかいを含んだ声で自分を誰だ、と聞く貴方。