<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第101章 文字比べ ― 政宗&姫 ―
漢字とかなが入り混じっている字なのはわかったが、ここまでカクカク四角ばって書かれていると、恐ろしく色気の無い文字と思わせる。
「しっかし色気の無い文字だな」
俺はその文字の書かれた紙を取り上げ、隣に墨を含ませた筆をおいてさらさらと歌を書く。
「ほら、どうだ?俺の字のほうは色っぽいだろう?」
俺は得意満面で言ってやったが、舞はきゅっと唇を引き結んで横を向いてしまった。
余計な事を言って怒らせちまったか。
俺はすぐ舞の両頬を俺の両手で挟み、こちらを強引に向かせる。
「怒っちまったか?悪かったな、言い過ぎた。機嫌直せよ」
俺はそのまま口付ける。
「ん…ふっ…」
何度も口付けている間に唇が開いてきたから、舌先を舞の中に進ませる。
ほら、あっという間に蕩けて、俺だけの舞になった。
「あ…ん…」
俺はそっと舞を押し倒し、舞の着物を乱して、着物の中の奥深くに触れていく。
文字が読めるか読めないか、の話しから、結局最後はこうなっちまう。
それとも舞はこうなると踏んで、俺がこうするのをわかっていて、けしかけてきていたのか?
俺からすれば、結局は舞を堪能出来るのだから、どうでも構わないけどな。
<終>