<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第99章 異国の歌 ― 政宗&姫 ―
「……」
聞いた事の無い歌が聞こえる。
「舞、何を唄っているんだ?」
歌声の主を探して、声を掛けると、舞はくるりとこちらを振り向き、真っ赤な顔をして俺に抗議をしてきた。
「もう、政宗、聞かないでよ!」
「そうは言われても聞こえたからなぁ。可愛い声で唄うおまえが悪い」
俺はにやりとして、舞の隣に座る。
「ちょっ…政宗、何で隣に座るのよ」
舞は俺が隣に座った事で文句を言ってきたが、別に良いだろう?
「今のは何て言うんだ?聞いた事が無い言葉だったな」
「…Over the Rainbow…」
聞いた事のねぇ言葉に俺は困惑した。
「…おーばー?」
「虹の彼方にって意味の異国の歌」
虹の彼方に、か、なかなかな歌の名だな。
「虹の彼方に何かがあるって事か?どういう事を唄っているんだ?」