<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第91章 宴 ― 姫&信長 ―
「はい、だんだんと酔ってくると、飲みかたも汚くなってくると思うんですけれど、信長様は全然崩れなくて…もしかしたら全く酔わないんですか?」
私の言に、信長様は面白そうに笑う。
「いや、俺も酔うぞ。特に貴様のような美しいおんながすぐ隣にいて、俺に酌をし…」
赤い瞳が蠱惑的に光ったと思うと、私の片腕を引っ張り、信長様の膝の上に私は座ってしまっていた。
「夜伽もするならば、俺は酔うだろう」
にやりとする信長様に、私は変な事を言わなきゃ良かったと後悔する。
腰の辺りに腕を回されて、私は身動きが出来ず、信長様に言う。
「下してください。他のかたがたに見られて恥ずかしいです…」
「ふん、ならば夜伽をするのか、せぬのか、答えろ」
「…信長様の意地悪…言われなくても、します…」
「ならば、早速貴様を抱く事にしよう」
信長様は立ち上がりざま、私を横抱きにし、宴会の席を去る。
「信長様、いずこへ?」
追い掛けてきた秀吉さんに、振り向きもせず、言う。
「貴様らは適当に宴を終わらせておけ」
秘密の宴が始まる。
私と信長様で、愛の世界を二人で堪能し、私のからだは高みを望んで揺れ動き、信長様の瞳が私を更に絡めとる。
<終>