<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第9章 星をねらう ― 三成&姫 ―
私たちは指を絡めて手をつなぎ、星空の下に立っていた。
「星がすご…いっ」
舞様が空を見上げて、感嘆の声を上げられた。
「すごいね、三成くん。こんな星空、見た事ないよ!」
大喜びの舞様の様子に、良かったです、こんなに喜んでもらえて。
と、ある方向を見て、舞様は動きを止められた。なんでしょう?
「どうしましたか?舞様」
「あれ、わかる?」
差した方向にあるのは、赤星(あかほし)。
赤星付近の星々は、左から右へ曲線を描いていますね。
「赤星、ですね?」
「赤星っていうんだ。アンタレス…さそりの心臓だよ」
「あん…?さそりの心臓?」
唐突に舞様は何をおっしゃるのでしょう?
「いて座の弓が、さそりの心臓を狙ってるんだよ」
いて座の弓?狙う?
私のぽかんとした表情に気付いたらしく、舞様はくすくす笑う。