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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第84章 嘘が真になる日 ― 姫&光秀 ―


「ほう、いたずら。おまえはその天井のやつに、いたずらを仕掛けられたという事か」

「…そうです。でもこうなったら本心を言います。光秀さんが、好きです」

光秀さんは私の告白に、大きくため息を一度ついて言った。

「背中は流してやらんから、そのまますぐそこから出るが良い。
俺はおまえが着替えてくるのを、湯殿の外で待っていよう」

「…は、はい」

そろそろ湯あたりしそうだったのでちょうど良かった、と思い、光秀さんが出ていくのを見て湯からあがり、着物を着替えた。

光秀さんが城の廊下で、両腕を交差させて着物の袖の中に入れて待っていてくれた。

「お待たせしました…」

私が声を掛けると光秀さんは、今迄見た事がないような優しい笑みを浮かべて私に近寄り、私の顔にかかっていた一筋の髪をそっと耳に掛けてくれた。

「ありがとうございます…」

そのまま、光秀さんと私の部屋に戻ると、光秀さんから口付けをされ、湯で温まったはずの私のからだが更に熱をあげる。

光秀さんにその日一晩愛されて、私はとても幸せな時を持ったけれど、あちらこちらについた愛された跡を、翌朝みんなに見られさんざんからかわれてしまったの。

光秀さんは?ひどいよね?自分は仕事だって、その日の朝から遠くに出掛けてしまったの。

だから、からかいの対象は、私だけ。

でも、佐助くんのいたずらのおかげで私の恋は叶ったから、佐助くん、エイプリルフールのいたずらを、ありがとう、かな。


<終>
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