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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第83章 えいぷりるふーる ― 佐助&姫 ―


「それなら俺が行く」

「お願い致します。あ、舞さんに今日は卯月の朔日だと言ってください」

「卯月の朔日と言う?日にちを言えば良いのか?」

後は任せましたよ、光秀さん。

舞さんが光秀さんに意地悪される、と俺に言いながらもその様子は嬉しそうで、これはきっと光秀さんの事を何かしら気に掛けているんだろうな、と思い、それは舞さんの恋と気付くまで、俺にはそんなに時を必要としなかった。

俺じゃないのは残念だけど、舞さんの幸せを願って、俺はあくまで現代人仲間を通す事にしよう。

さぁ、湯浴み中に突然現れた光秀さんに、舞さんは何というだろう。

天井裏から聞こえた声に、四月朔日を言うよう言われた光秀さんに、どういう態度を取る?

このままえいぷりるふーるを真実にして、舞さんの恋が成就すると良いけどね。

光秀さんと二人の世界を過ごせれば、俺はいたずらを仕掛けた甲斐があるってものだ。



後日、俺は舞さんに、天井裏から降りた途端に、ありがとう、と言われた。

その様子だと、いたずらがいたずら以上の効果をもたらせて、舞さんは光秀さんに一晩堪能されまくったみたいで、あちらこちらにうっすらと愛された跡を残していた。

「跡がすごいね」

俺がうっかり言ってしまい、舞さんは真っ赤になって言った。

「そうなの、光秀さんにつけられて、みんなにからかわれたよ。
光秀さんは涼しい顔して偵察と言って、翌日から城を離れて出掛けちゃって不在だったしさ」

でも恋が実って良かったよ。

俺は今後も現代人仲間として、舞さんの幸せを見守ろう。

戦国ではえいぷりるふーるは真実になるんだ。


<終>
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