<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第83章 えいぷりるふーる ― 佐助&姫 ―
あ、そういえば今日はえいぷりるふーるだったな。
俺は今日が四月朔日である事に気付き、えいぷりるふーるを思い出した。
俺が仕掛けるとしたら、舞さんにしか出来ないけれど…いたずら、しよう、かな。
天井裏から舞さんのお部屋へお邪魔する。
相変わらず佐助くんは丁寧だね、と舞さんは笑みを浮かべて言ってくれる。
ごめん、そんな優しいきみにいたずらを仕掛けるんだ。
お茶を淹れてくれたので、しばらく話しに熱中する振りをして、お茶が冷めた頃にお椀を手にし、手を滑らせて舞さんにお茶をぶっかけた。
「ご、ごめん!舞さん!」
俺は急いで謝る。
「だ、大丈夫だよ、佐助くん」
そうは言うものの、頭からお茶を被ってしまわせてしまった。
「俺はもう戻るから、舞さんは湯浴みしておいでよ」
「そ、そう?じゃあ悪いけれどそうしようかな」
さすがにお茶をかぶって気持ち悪いのかな、悪い事をしたな。
「本当にごめん、舞さん」