• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第77章 夜の鳥 ― 姫&顕如 ―


Night birds、夜に飛ぶ鳥がいるの?

「フクロウの事か?」

「あ、そっか。夜目が利きますよね、フクロウなら」

高速道路の氾濫する光の中、飛ぶのは鳥ではなく貴方と私。

「顕如さんの運転、久し振りではないですか?」

「仕事では常に使ってるが、舞を乗せるのは久し振りかもしれぬな」

「ふふ、そうなんですね」

光が後方に流れる中、顕如さんの運転する車は目的地へ向かって進む。

「顕如さん、フクロウって高速の灯りの中でも夜目が利くのかしら?」

「真っ暗な中でこその夜目だから、こんな明るいところでは反対に昼間と思って、動かないかも知れぬ、と私は思うが…」

顕如さんの車は白い翼を広げたかもめのように、スムーズに飛んでいく。

隣のレーンを夜間走る大型トラックが、猛スピードで走り去るけれど、顕如さんの車は他の車と距離を合わせつつも無謀な運転はしない。

合流地点であきらかに変なタイミングで入ってくる車にも、顕如さんはほんの少し減速して相手の車を入りやすくして、それが運転をしない私にもわかる気遣いで、運転が上手だなと思わせる。

運転には個性が出るというけれど、顕如さんの運転は穏やかで渋滞でもイラついたりしなくて、安定したとても乗り心地が良い運転をするの。
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp