<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第76章 甘い誕生日 ― 秀吉&姫 ―
「光秀さんも三成くんも庭を綺麗にしてくれて…二人共庭を畑にしようとしているのには笑っちゃったけどね」
「舞、そこまでだ」
舞の唇を、俺の人差し指でふさぐ。
「もう、信長様達の話しは良いだろ?」
俺は甘い笑みを深くして、舞の耳元へそっと語る。
「…んっ…」
話し掛けられ、舞は少し身を捩るが、俺はそのからだを押さえつけるように抱き締め、口付けをそっと舞の顔に落としてゆく。
舞を甘やかす時の始まりだ。
俺に甘えて、俺に甘やかさせなさい。
二人の世界に堕ちて、二人だけの幸せに浸ろう。
「秀吉さん、大好き、ううん、愛してる」
「俺も愛してる。生涯ずっと舞と一緒にいよう」
舞から一番聞きたい言葉が聞けた。
俺はこの言葉でいつでも生きていこう、生き抜こう、舞と生きるために、と思う。
舞と生きて行くために、何が何でも戦場から戻ろうと思わせてくれた舞に必ず会うため。
俺は口付けを深くし、舞の着物を暴いていき、俺の誕生日は甘く始まる。
この信長様がくださった別邸で、二人の新しい関係が動き出す。
<終>