<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第58章 一途な愛 ― 謙信&姫 ―
きっぱりと俺への愛を誓う舞に、おまえは嘘は言わぬと改めて気付く。
舞が春日山へ来るまで、俺は待とう。
しかし、今日は俺の誕生日。
俺の誕生日の一晩、俺を絶対忘れないように愛してやろう。
俺を死ぬ程焦がれて、俺から離れたくと思わせるようにしよう。
「…はい、お願いします」
うっすらと頬を赤く染め、舞は俺の言葉に答える。
二人で宿屋へ戻り部屋に入る。
俺は時を無駄にしまいと舞を抱き締め、帯を解き、しばらくぶりの舞の甘いからだに、俺のものだという跡をいくつも散らしてゆく。
目元を赤く染める舞の胸元に、そのからだの形を俺は唇でなぞる。
白いからだに赤い跡をつける舞に、俺は更に欲情し、舞をもっと欲しいと望む。
ああ、本当に舞は愛らしい。
いつ、安土の者達から恋心を寄せられてしまうのではないかと、俺は愛すると言われていても心底気になってしようがないのだ。
だから、舞にたくさんの俺の跡をつけて、俺が誰よりも舞を愛しているとわからせよう。
舞、早く、春日山へ来い。
俺が安土の者達を斬りつけに行く前に、な。
<終>