<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第57章 変化 ― 信長&姫 ―
俺が嫌だと言いながら、俺の言う事を聞き、努力しているのは何故だ?
「それは…信長様が、好き、だからです…」
俺が驚く答えが戻ってきた。
赤くなってやや俯く舞、よく見るとほんの少し震えているようだ。
小さなその姿がふと愛おしく思え、俺はそのからだを抱き寄せた。
息を呑む舞の一瞬の声が聞こえたが、俺に黙って抱き締められる。
柔らかくて小さい、そしてかすかに香る男を惑わせるような甘い体臭。
甘美な想いを男に抱かせる、と俺は思い、俺は舞の帯を解く。
「…信長、さまっ…」
驚く舞が声を上げるが、俺は舞を片手で抱いたまま、解いた帯を放り投げ、衿を広げ白い艶やかな肌に喰らいつく。
舞が俺の行為に合わせ、だんだんと淫らな声に変化する。
もっと乱れろ、もっと淫靡に、もっと淫乱に。
舞、俺に誰にも見せた事のない姿を見せろ。
俺は、貴様の心が欲しかったのだと、全てを自分のものにしながら気付く。
「信長さまぁ」
甘えて蕩けるような舞の声が天守に響き、俺は本当に舞の全てを自分のものにする行動を起こし、そして、舞が俺を愛して止まないように、俺も舞を愛し尽くしてやろう。
<終>