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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第56章 バレンタイン ― 姫&顕如 ―


今日は2月14日、バレンタインデー。

私は待ち合わせした、表参道のカフェで、顕如さんが来るのを待っている。

チョコレートは詳しくないから、銀座のデパートの催事場のチョコレート売り場で、試食しながら甘さ控えめなものを選んだ。

バッグと一緒に茶色のごく小さい紙袋の中に、選んだフランス製のチョコレート。

気に入ってくださるといいな、顕如さん。

普段は甘いものは口にされないと聞いているから、食べてくれるかちょっと気掛かりだけど、チョコレート自体粒が小さいから、一つはお願いして食べていただこう。



「バレンタインなので…甘さ控えめなものを選びました。
甘いものはお好きでないと思いますが、一粒は召し上がってくださいね」

「ありがとう、舞が選んでくれたものは全部食べよう」

顕如さんの嬉しい言葉に、私は頬を赤らめ、笑顔を見せた。

顕如さんの渋谷の松濤にあるお住まいへタクシーで向かう。

初めてお家へ連れて行ってもらったけれど、一人で住まうには程よい大きさのマンション。

ほとんど物が無く、でも温かみのあるウッディなもので統一された顕如さんの世界。

自然がお好きな顕如さんらしいな、と私はふふ、と一人で微笑んだ。

「何かおかしいものでもあったか?」

顕如さんの問いに、私はお部屋の雰囲気が顕如さんらしいな、と思ったと答える。
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