• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第55章 夜を駆ける奇跡 ― 姫&三成 ―


甘い恋に奇跡はある?

あの人は私の恋心に気付いてないから、こうなったら押して押して押しまくるんだから。

「三成くん、お邪魔します」

書庫に入って声を掛けるけれど、返事は無い。

相変わらず大量の本を前にして、息をするのも忘れたように読書に耽る三成くん。

この集中力は本当にすごいけれど、全く周囲が目に入らないから、やっかいでもあるの。

私はそっと後ろに立ち、三成くんの掛けている眼鏡を外して、自分で掛ける。

うっ、度がすごくて、頭がぐらんぐらんするわ、これ。

三成くんは眼鏡を外されたのに気付かず、でも、本が急に読めなくなったものだから、眉をしかめて本を近づけたり離したり、首を傾げたりし出した。

「三成くん」

もう一度声を掛けると、ようやく私が後ろに立って声を掛けていた事に気が付いてくれた。

「あ、舞様、どうなさいましたか?」

私が取り上げた眼鏡を掛けている事にも気付いてない…?

「はい、これ」

仕方ないから眼鏡を外し、三成くんに返す。

「あれ?どうして舞様が私の眼鏡をお持ちなのですか?」
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp