<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第48章 さんりんしゃ ― 光秀&姫 ―
また、舞が何やら、しているな。
俺は廊下から、家臣や女中のこども達を連れ、何やら持って庭にいる舞の姿を認めた。
先日も何をしているのだ、と首を突っ込み、けんけんぱや縄跳びをやらされたばかりだ。
今日はここから見ているだけにして、そうだな、三成あたりに見に行かせるか。
しかし…何に乗っているのだ?
遠目から見ると、こどもが乗るなら具合が良いが、大人が乗るにはだいぶ小さなものに舞が乗り、なにやら動かしているようだ。
…何をしているか、見に行くだけだ、俺は近付きすぎないように近寄って行った。
舞が乗っていたのは、小さい乗り物と言うのか、こどもが乗るのにちょうど良さそうな、見た事のないものだ。
「舞、それは何だ?」
見るだけのはずだったが、声を掛けてそれが何なのか、聞いてしまった。
「あ、光秀さん!」
舞はにこにこと満面の笑顔で俺を呼び、必死に俺のほうへそれを動かしながら来た。
「これはですね、さんりんしゃって言います」
「さんりんしゃ…」
「春日山の佐助くんが作ってくれました。こども達が遊べるからって」