<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第47章 虜になる ― 姫&信玄 ―
毎日の日々の中で信玄様は、私を楽しませて笑わせてくれる。
「きみと佐助の時代は、変わっていて面白かったな」
戻れない可能性もあったのに、信玄様は私と佐助くんに賭けて、自分の病気を治すため、現代に行って手術を受けたんだよね。
現代にいる間に街でデートもして、洋服に身を包んだ信玄様は色気が倍増して本当にかっこよくて、通りがかりの人達から注目を受けて素敵だった。
私が当時の事をぼんやり思い起こしていると、信玄様が後ろから私を抱き締め、顔を覗き込んできた。
「何を考えてるんだい?俺の姫?」
信玄様が現代にいらした時の事、と言ったら、信玄様は私の隣に座り、ああ、と一緒に思い出してくれた。
「あの時代は刺激的だった。そうそう退院してから、きみの部屋できみを抱けたのが一番良かったなぁ」
「し、信玄様…」
そんな事まで思い出されて、私は顔が赤くなるのを感じ、信玄様をちょっと睨む。
でも信玄様にはそんな顔しても逆効果なんだよね。
誰もが魅了される色気じゅうぶんな笑みを浮かべ、私の手をとって立ち上がる。
「じゃあ、舞、俺達二人の世界に行こうか。俺がたっぷりおとなの愛を教えてあげよう」
ずるいよ、信玄様、そんな事言われたら嬉しくなっちゃうよ。
心はときめいて、からだはうずき、全てが信玄様のとりこになるの。
私はおとなの愛を受け止められるかな。
<終>