• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第45章 離れたくない ― 姫&幸村 ―


ぶっきらぼうだな、と思っていたけれど、接してみるとわかる、本当は優しいってこと。

好きになる気持ちがどんどん溢れて、毎日会いたくてたまらない。

「…幸!」

ちょうどお客さんがいなくなった、行商している彼に声を掛ける。

私の声に気が付いて、照れくさい表情で片手を上げてくれた。

「おー」

私の大好きなこの「おー」、いろんな意味がたったこの一言にこもってる。

貴方に会いたくてここに通うんだよ、わかってる?

幸はささっと行商の品物を片付けた。

「…あれ?もう、今日は良いの?」

「…ん。いくぞ」

がしっと手を握られ、どこに行くのかわからないまま引っ張られ連れて行かれたのは、湖の岸辺。

今日は天気が良くて、湖面がきらきら輝いていて、とても綺麗だなぁ。

幸が先に座りこんだので、私も隣に座る。

ごそごそしている幸が懐紙にくるまれた何かを取り出す。

懐紙を開くといつの間に買っていたのか、おまんじゅうが二つ。
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp