<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第39章 かぐや姫 ― 姫 ―
本当は邪魔をしたいくらい貴方を愛しているけれど。
邪魔をする資格が今の私には無いのが悔しい。
でも、いつか貴方の命が尽くる頃。
私は貴方を迎えに行くわ。
そして、永遠を誓った約束を果たすの。
貴方が私を愛してくれていた頃、貴方と共にずっと愛してると誓った事。
全てを伝えて、貴方に私の歪んだ愛を押し付けてゆくわ。
他のかたを愛する貴方を見て、狂いそうな日々を過ごした事。
貴方との最後の愛を噛みしめて過ごした事。
でも貴方の命の最期を受け取った時、全ては浄化され、私に清浄な愛が残るはず。
貴方の美しい魂を持って、私は月へ駆け上がる。
天空から迎えにきたペガサスに乗って。
かぐや姫の世界へ貴方を連れて、貴方は私の世界に生きる。
私を愛した時にそれは決められた運命だったのよ。
さあ、いらっしゃい、そして、おかえりなさい。
導かれた貴方の魂に姿を与え、貴方は私の許によみがえる。
愛してる。
永遠の愛を私と生きる貴方の名前は―
<終>