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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第36章 星の温度を超える ― 秀吉&姫 ―


冬の星座は明るく華やかな光で瞬きを放つ。

プロキオン、ベテルギウス、リゲル、アルデバラン、ポルックス、カペラそしてシリウス。

七つの一等星が空を彩り、四季で最も星の美しい時季でもある。

「秀吉さん、今日は星がとても綺麗に見えますよ」

舞は秀吉に呼び掛け、白い息を吐きながら廊下から外を眺める。

呼ばれて出てきた秀吉は、思った以上の寒さに驚き、中へ入り羽織を持ち、舞に掛けて一緒に空を見上げた。

「星も良いが、この寒さじゃ風邪をひく。早く中に入ろう」

部屋の中では、暖かい火鉢が暖を取れるよう、穏やかに火をはぜていた。

「うん。でもこんな綺麗な星空、もうちょっと見ていたいの」

甘える舞の声に、秀吉もついつい甘やかしたくなる。

「わかった、それなら仕方ないから、こうしよう」

秀吉は舞に掛けた羽織を外し、それを自分に掛け、それから舞を後ろから抱き締める。

「ほら、これなら暖かくて良いか?」

「ひ、秀吉さん…」

後ろから抱き締められるとは思わなかった舞の顔が赤く染まる。

「どうした?舞、顔が赤いぞ?」
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