<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第35章 正月かるた大会 ― 姫&安土城武将 ―
次は光秀と三成の対戦。
最初に難波津の歌を詠い、舞は一首詠う。
「よもすがらーものおもふころはーあけやらでー」
はい、と三成が静かに札を取った。
「…なかなか、やるな」
光秀が瞳の奥を光らせると、三成もにっこりしながら言う。
「光秀様には負けられませんから」
火花が密かに燃える二人を、信長は面白げな顔で見ている。
結局、この二人は三成が勝った。
「はい、じゃあ光秀さん、目をつむって」
「…俺のは秀吉が代わりに書いてくれるそうだが?」
「あ、光秀、俺はそんな事言ってないぞ!おまえも書かれろ!」
逃げようとした光秀は、結局秀吉に捕まり、頬に三本のひげを書かれて、鼻の頭を黒く塗られた光秀が完成した。
その姿を見て、他の武将達は笑いをこらえるのに必死だった。
「さ、じゃあ、家康と三成くんの対戦ね。勝ったほうが、信長様か政宗と対戦だよ」
二人が座り準備をすると、早速始まった。