<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第33章 追い込む愛 ― 信長&姫 ―
俺が真剣な表情をしたものだから、舞はまじまじと俺を見る。
「信長様?何故私の事でそんな真剣な顔をなさるのですか?」
「簡単だ。貴様が俺のものにならぬからだ」
「…っ!」
そんなたわいない言葉であるにもかかわらず、貴様は生娘のように頬を染める。
俺に歯向かうくせに、そんな事で顔を赤くし、そのさまざまと見せる表情が愛らしいとさえ感じるようになっていた。
「貴様は男を煽る」
俺は言う。俺だけでなく秀吉達も翻弄されているのを知っているからだ。
「貴様は俺達で何をしたいのだ?」
俺は舞を追い詰める。
追い詰めて、今日こそ俺の女にする。
「みなさんをどうこうするつもりはありません。でも…信長様、貴方には…」
思い切った表情で俺に何かを伝えようとする舞。
「貴方に惹かれて、貴方に愛されたいと思う私が…います」
ほう、良く言った。俺に愛して欲しいと言うか。
「良く言った。ではこちらに来るが良い」
俺の膝に舞を座らせ、俺の全てを堪能させてやるとしよう。
だから、俺は、そっと舞の頬に触れた。
<終>