<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第33章 追い込む愛 ― 信長&姫 ―
白銀の月が昇る。
俺はその満月の光を浴びる。
いつの日か俺の想いは伝わるか。
初めて会った時から、貴様は不思議な女、であったな。
俺を拒絶する女には初めて会った。
杯になれと言った時も、自分で酒を飲み込んで拒否をした。
全く俺の言いなりにならない。
面白い。
逃げるなら、追い込んで俺のものにする。
女に手ごたえを感じたのは舞が初めてだ。
次はどうやって攻めるか。
女をものにするための、戦術を考えることになるとは思わなかった。
俺は舞の顔を思い起こし、不敵な笑みを消せなかった。
「貴様はどうしたら、俺のものになる?」
俺の前に座る舞はつんけんした表情で、なりません、と言った顔をしていた。
「貴様は不思議なおんなだ。俺の言う事を聞かないおんなは初めてだ」