<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第31章 流星群 ― 姫&信長 ―
短く納得の返事をされる信長様。
これでわかったの?絶対信長様、頭、良い!
「舞、貴様、ない頭でよく説明出来たものだ」
にやりと片頬で笑みを浮かべる信長様に私はふん、と横を向くくらいしか抵抗出来ない。
「俺に説明出来た褒美をやらないとならぬか」
え、褒美?と思う間もなく、信長様に手首をぐいとひっぱられ、あっという前に信長様の腕の中。
あごに信長様の手がかかり、すくいあげられ、信長様の赤い瞳とかち合う。
その赤い瞳が見えなくなったと思うと同時に、唇に信長様の唇が触れる。
流れ星が空をとびかうその夜。
流れ星に願いをかけなくても、欲しいものが飛び込んできた。
信長様の甘い囁きに私は全身を蕩けさせられ、何も考えられなくなる。
「のぶ、なが、さま…」
私がやっとあげた声に、流星群が私達を見ているような気がする。
幸せな恋人たちのすることを、宇宙に知らせて。
流れ星が幸せを伝えて。
信長様、流れ星が幸福を運ぶから、私をもっと愛して。
全てが融けて信長様と一つになってしまうのを、消えゆく流れ星に、愛を教えてあげる。
<終>