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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第29章 本気 ― 信玄&姫 ―


「信玄、さま…何を…んっ…」

驚く舞に俺の口付けで言葉を封じる。

きみの可愛い唇に愛らしい声、俺がもらおう。

さんざん愛を囁いてきたのに、全てをからかいの言葉一つでごまかしてきたお仕置きだよ。

俺がそう言うと、舞は真っ赤になって、俺を上目遣いで見つめて言う。

「だ…だって、信玄様はおとなで…黙っていてもたくさんのおんなの人が集まってくるって聞いてます。だから、私の事も冗談だと思っていたんです…」

「きみの事は冗談じゃあ無いんだけどな」

俺も呑気に構えてないで、きみへの愛を本気で伝える事にしよう。

すると、舞が両腕を伸ばして、俺の首に絡ませ、俺に口付けてきた。

「舞…」

俺が呆然と声を掛けると、舞は目線を逸らせてボソリと言う。

「信玄様が、好き、ですっ…からかっていらっしゃると思って…本気にならないようにしていました…」

「俺は舞、きみの事が本気で大好きだよ」

俺はそう言うと、舞へもう一度口付ける。

「しん、げん、さま…」

蕩けた舞の顔は誰にも見せられないな、と、俺は本気で思う。

では、大人の恋をこれからたっぷり、天女に味あわせてあげようか。


<終>
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