<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第27章 下剋上の告白 ― 姫&光秀 ―
光秀さんはおやおや、という表情をして私を見る。
「そんな風に本音を隠していたら、誰からもわかってもらえないままですよ?」
光秀さんが好きだから、私は心配で思わず言ってしまった。
「何故そんな事を気にする?俺がどうなろうとおまえには関係ないだろう?」
光秀さんはあくまで冷静な声で言う。
「関係、あります…私が光秀さんを、好き、だからです」
どうなっても良い、と、思い切って言ってしまう。
光秀さんは私の告白を聞いて、無言になって私を見つめる。
そして、光秀さんは見た事がないくらいの優しい表情で、私の頬に指を滑らせる。
「それは、おまえの本音か?」
光秀さんは顔を寄せて、唇が触れる寸前の距離で囁く。
「本音じゃなかったら、何ですか…っ」
消え入りそうな声音で私は光秀さんに言う。
すると、光秀さんの唇がそのまま私の唇に触れる。
何度も、唇が触れ、光秀さんの温かい両腕が私の背中に回される。
好き。光秀さんが好き。
私は言わないけれど、きっと光秀さんは私の心がわかっている。
光秀さん、下剋上成功、だよ。
<終>