<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第27章 下剋上の告白 ― 姫&光秀 ―
南蛮かるたで大富豪をやって、光秀さんが富豪、私が貧民だった。
愛の告白をしなくてはならず、戸惑う私に光秀さんは言うの。
「簡単なことだ。『お慕いしています、光秀さん』と言うだけだ」
本当に心から好きだから、そんなに軽々しく言えないよ。
でも、光秀さんは結局言わなくても良い、と言って、私を部屋まで送ってくれる。
何を考えているのだろう?
私は光秀さんと会話をするうちに、光秀さんは本音をけして人に言わないし、出さない人だけど、きっと心の底は何かに飢えてるのではないかと思うようになった。
「光秀さん、もしかして、本音の付き合いが怖いのですか?」
「…俺に何を言うのだ?舞」
意外そうな表情を光秀さんはするけれど、私は思い切って言ってみた。
「もし、他のかたと本音でお話しするのが難しければ、私でよければ練習台になりますよ?」
光秀さんはそれを聞いて、くくっと笑い、真剣な顔をして私の顎をすくう。
「そうか。それなら俺のすべてを受け止めてくれるというのだな?」
何だか違う意味になってるような気がして、私は慌てて光秀さんの手から逃れる。
「そんな事、言ってないです」
「違うのか?」