第14章 マイ・ガール ※R-18
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「………わりぃ、やり過ぎた………」
壷からトロリと逆流する白濁液を手拭いで拭き取りながら、幸村は心配そうに相手の様子を見つめていた。
「はぁ……もう駄目……死ぬ……。」
全身を火照らせぐったりと仰向けのまま微動だにしない桜子。
それもその筈、
あれから更に派手に交戦を繰り広げ、戦い果て………
白旗を揚げたのだった。
やべぇ………。
溜まっていたせいか滅茶苦茶にし過ぎた………。
苦笑いしつつ
仕上げに秘部の周りを綺麗に拭き終わると、桜子の隣に寝そべり
力の抜けた細い身体に腕を回し包んだ。
前髪の隙間から、玉の汗が額に浮いているのが見える。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃ、ない……よ……もぉっ……」
うつろな瞳で俺を睨むと、その表情とは裏腹に
こてん、と胸板に頭を預けてきた。
「……けど、好き」
………………
かあっ、と顔面が熱くなる。
可愛い………!
この可愛さは最強だ。
俺を一撃で倒してしまうのだから。
「桜子………」
顎をくい、と上に向かせると桜子のうつろだった瞳が次第に色気を帯び………
口付けをしようとしたーーー
が。
ぐぅ〜…きゅるきゅるきゅる………
……………………
「あははっ、ごめーん。夕餉食べてなかったからお腹空いちゃって」
けらけらと笑い飛ばす桜子に、俺は肩透かしを喰らった。
甘い雰囲気は、間の悪い腹の虫によってかき消され
当の本人は未だ無邪気に笑い続ける。
まったく………。
でもまぁ、そーいうとこ、すげー好き。
「俺も食ってねぇから、厨に行って何か作るか」
「うん!……でも……あとちょっとだけ、このままで……」
そう言うと俺にぎゅ、としがみつき
頬を擦り寄せた。
ひとつひとつの過去が積み重なって、今の桜子が形造られた。
そんな彼女に、俺は恋に落ちた。
どれも彼女の歴史の一部。
だけれど、
いつか過去の男なんか思い出せなくなるくらい、
俺で満たしてやりたい・・・・
ーーーなんて想いながら
柔らかく抱き締め返し、
愛しい香りを胸いっぱいに吸い込んだ。
完