第14章 マイ・ガール ※R-18
「幸っ、お疲れ様!」
政務を終え自室に戻ったら、じっと待機していたそいつは嬉しそうな顔で飛び掛かってきた。その様は村正みたいだ。
「おー。お前いつからここに居たんだよ」
「半刻くらい前からかなぁ。幸にお疲れ様って言いたくて」
俺の腕に自分のそれを絡ませ頭を寄せる桜子に、グッとくる。まるで心を矢で射抜かれたようだ。愛しさが込みあげ
ぎゅう、と抱き締めた。
ーーーあー、幸せだ。
桜子とは今じゃ名実共に恋仲だ。
初めて褥で交わってから更に想いも深まった気がする。
一挙一動、全てが可愛い。そしてそれは全て俺のものなのだ。
「……今夜は一緒に寝れねぇんだっけ」
「うん……女中さん達と女子会しよーって約束しちゃったから」
「ぷっ……なんだその妙な会合は」
クスクスと笑い合うとどちらからともなく口付けをする。角度を変えて幾度となく………
正に幸福の真っ只中だ。
舌を絡めながら桜子を畳の上に倒し胸の膨らみに手を這わせた
「………もうすぐ夕餉だよ?」
「だから?」
「我慢して?」
「無理」
観念したようにはにかむ彼女の頬を軽く啄むと、脚の間に割って入り裾をたくし上げた。
「気持ちい?」
「………っ」
上下に激しく揺れるなか、紅潮した桜子は口元に手の甲を当て声を殺しつつもこくこく、と頷いた。
興奮して腰を振る速度も増す。
室内は互いの息遣いと性器が擦れる音だけしか聞こえない。
なんて淫靡な時間ーーー。
桜子を愛してる。
だけど愛してるが故に引っかかる事もある。
望んでたものが手に入り当たり前になると
その先も追い求めるようになる。
人間とは欲深く自分勝手な生き物だ。