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【おそ松さん】欠陥だらけの道化師さん

第2章 邂逅


「おお!?」

「へべし!!?」


先に四足で走っていた十四松が突然止まったため、真後ろにいた俺は地面とゴッツンコ。
デコ痛ぇ……

「十四松のぶあぁか!! バーカ!!」

「十四松兄さんどうしたの?」

「"笑う導火線"の匂いが消えちゃった!」

「どんな間違え方だよ!! 道化師だろ!!」

「ナイスツッコミ、チェリー松」


誰がチェリーだ!! と騒ぐチョロ松を無視する。だってあいつ、全員だろうが! っていうけど、俺別に彼女いるし。仕事が彼女だし。
……寂しくねーし。

「マジで消えたのぉ?」

「うん。プッツリなくなったよ、おそ松兄さん!」


おかしいな。ここは細道。さらに一本道だ。それなのに、突然匂いが消えるってどういうことだ?


「ねぇ、もしかして何かに乗ったんじゃない?」


一松がすこぶる不機嫌な顔をこちらに向ける。
ほんと、お兄ちゃんお前が怖いわ。


「ここは狭き道……なら、青春の終焉時から開かれる試練に受かりしも」

「バイクね、イタ松兄さん」


カラ松の痛発言にトッティが容赦なく切り捨てる。
お前のお陰でお兄ちゃんのあばらは守られたぜ、トッティ。

「十四松、他に何か匂う?」

「なんかね、色んな犬と人の匂いがするよー」


地面を嗅ぎながらグルグル回る十四松犬。
ずっと四つ足だけど、こいつ器用だな。

「確かここは犬の散歩コースで有名だよ。狭い道だから車はなかなか通らないし、程よく街灯があって夜でも明るいからね」


トッティがスマホを片手に解説する。

と、いうことは。


「お手上げ、か」

「今までターゲットに逃げられるってことはなかったのに」


チョロ松が言葉にして、余計口惜しく感じる。
そうなんだよ。どんな相手も生け捕りあるいは楽しく掃除してきたことが俺たちの売りなのに。

「どんだけ時間かかっても絶対見つけてやろうぜ。俺たちのプライドにかけてさ」


俺のその言葉に全員が力強く頷く。
"嘲笑う道化師"……なかなか面白いことしてくれるじゃん。
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