第3章 不思議なヤツ
気を使わずにゆっくりと俺のペースで一緒にいられる事が本当に楽で優仁と一緒にいる事が自分にとってベストだと思うのに時間はかからなかった。
「え?優仁が住んでるのってじいちゃんばあちゃん家なの?」
「うん、そうなんだ」
「マジで?なんで?」
それは素朴な疑問だった。
それに対して優仁はサラッと凄い事を何ともないように口にする。
「急に倒れて変な事を口走ったから親が動転してさ、環境変えれば落ち着くだろうって・・・・あ、ごめん変な事言って」
「いや・・・その・・倒れたって大丈夫なんか?」
「え?・・・・智君はやっぱり優しいね」
「へ?」
「ううん、身体はもう大丈夫なんだ」
「そっか」
親にしては失礼だけど年寄りだと思った。
もう何度も優仁の家に遊びに行っているけど、その度に店で食べるようなデザートが出て本気で優仁が羨ましかった。
優仁にそんな事があったなんてとても信じられない。
何時も笑ってる印象が強いから。
「まーた二人で喋ってんのかよ!!ずりーぞ大野!」
「何がだよ、うわっ乗るな重いッ!」
カバッと上に乗ってくる友人の長友に反論すればグイグイと絞められて苦しくなる。
とても同じ歳に思えない大きな身体をした長友に絞められれば悔しいけど抜け出せない。
ギブギブと叩けば満足したように開放されてゴホゴホと咽る。
「なあなあ藤原、部活決めた?」
「え?あーうん」
「は?マジ?何にすんの?」
長友の質問に対して答えた優仁の言葉に自分まで反応する。
今日が入部届けの締め切りの日と言う事もあり朝から気にはなっていた。
自分達グルーブの中で入部届けを出してないのは優仁と俺だけだ。
「バトミントン部にする」
「マジで!?意外だ」
「何となくね、興味があってさ」
そう言うと優仁は綺麗な字で入部届けにサラサラとバトミンド部と記入した。
体力測定でもかなりの成績を叩き出していた優仁の希望部活は密かに注目がされていた。
自分もその一人だったりする。
だからか。
そっと机から取り出した入部届け。
「んじゃ、俺もバトミントン部にしよ」
「は!?大野もかよ!?」
「おう」