第10章 好意
談笑しながら昼食を食べ終えて二人でシーツの上に寝転がる。
本当に真夏日なのかってくらいココは涼しい。
お腹が満たされて眠くなる。
少しうたた寝するか?と言われて頷き目を閉じると不意に隣から声をして目を開ける。
「なんか濡れた」
「え?」
「雨?」
「へっ!?うそ、だってこんな晴れて・・・えっ!?」
「やばっ降ってきた!!優仁あの小屋の下に急ぐぞ」
「う、うん!」
荷物をシートに包んで急いで近くの小屋の軒下に入る。
空が晴れてる所を見ると突発的なスコールだろう。
せっかく乾いたから着たシャツもまたずぶ濡れだ。
サーと降る雨を見ていると不意に触れた手。
ビックリして横を見れば大野君と視線が合う。
ドキッとした。
視線が逸らせない。
真っ直ぐ見つめられて身体が動かない。
近づく距離。
そして触れる口。
どうして?アレはあの場の雰囲気に流されただけでしょ?
コレもそれなの?
意味なんてない行為。
わかってるのに。
「優仁!?」
「なんっ・・でっ」
「えっ!?」
「どうしてッ・・・ッ」
意味なんてないと言われるのは分かってるのに、だから確認しないと決めていたのは自分なのに、無意識に口から出たのはその疑問を確認する言葉。
意味のない行為にドキドキして胸が苦しい。
こんなに苦しくなるキスを私は知らない。
「優仁ごめんッ、嫌だったか?ごめんッ」
「違ッ・・そうじゃないッ・・そうじゃないんだよッ」
「優仁泣くなよ、本当にゴメンッ」
泣きたい訳じゃないのに涙は止まらない。
額を彼の胸につけて手でトントンと彼の胸を叩いてしまう。
困らせたい訳じゃない。
謝罪がほしいわけでもない。
ただ、理由がほしい。
無意味だと思いたくないだけなのだ、私自身が。
「なんでキスするのかッ・・・理由が知りたいッ」
「理由・・・」
困ったような彼の顔を見て余計に胸が苦しくなる。
その顔が意味がない事を表しているようで。
そっと彼から離れる。
駄目だ、聞いたら余計泣いてしまう。
そして、きっと立ち直れない。
「やっぱりいい、わっ・・・忘れよう」
「ちょっ待てよ優仁!!」
「やだっ・・・あっ違ッ・・ごめっえっ!?」