第2章 二度目の人生
それでも、少しでもあの人と同じものを見れるならと思った。
それからあれよあれよと話が決まり、自分だけの簡単な引っ越しが行われた。
母親の実家は以前の家よりも大きな家で正直引いた。
だけど、出てきた祖父母はとても優しい人達だった。
孫が一緒に住む事を心から喜んでくれた。
まるで最初からあったような自分専用の部屋には沢山のおもちゃとゲーム機があった。
遊ぶ機械なんてないかもしれないそれを見ると少し複雑な気持ちではあったけど、それでも心からお礼を言った。
転校の手続き等が面倒だった為に小学校は以前通っていた学校で卒業した。
私自身は一度も通うことなく卒業式だけ出席して別れの挨拶もそこそこにさっさと帰宅した。
だってクラスメートの顔も名前もまったく知らないのだからどうしようもない。
真新しい学生服、学ランなんて着る事はないだろうと思っていたのに、その制服に袖を通した時は何となく気恥ずかしさもあったけど少し嬉しかった。
「優仁ちゃん、忘れ物はないかね?」
「うん、無いよお祖母ちゃん」
「そうかね、気をつけて行って来るんだよ」
「はい!」
「お母さんに宜しくね」
「わかった!行って来ます!」
玄関先で笑顔で見送ってくれる祖母に背を向けたけど、やっぱり何となく思った事を口にする。
「お祖母ちゃん」
「なに?どうかした?」
「お祖母ちゃんとお祖父ちゃんも入学式に一緒に行かない?」
「ええ!?」
「無理ならいいけど」
「そっそんな、けど優仁ちゃんは恥ずかしくないの?お祖母ちゃん達が一緒で」
「そんな事ないよ!!嬉しいよ!」
そう言うと祖母は口に手を当てて泣き出す。
何か不味い事を言ったのかと焦っていれば、何時までも出てこない私を心配して外で待っていた祖父が戻ってくる。
だけど、祖母から話を聞いて祖父まで泣き出し本気で焦った。
「優仁!!」
「うわっ!?」
「待ってろ!すぐに用意してくる!!」
そう言って二人はバタバタと自室へと戻っていった。
どうやら間違いではなかったようでホッとする。
昨日の夕飯の時にボソッと言った祖父の言葉。
『入学式か、一緒に行けたらいいんじゃが』
来ればいいのにと思った。