第2章 二度目の人生
自室にあったパソコンで調べた自分の住所、そこには嘗て自分が住んでいたマンションは無く駐車場と表示されていた。
怖くなって実家を調べればそこは、綺麗な田園地帯だった。
仲原優美と言う自分の記録は何一つない。
まるで最初から存在なんてしていないように綺麗に消えていた。
『何時でも電話してきなさい。辛くなったらいつでも帰ってくればいいわ。気楽にやってきなさい』
大学に行く為に実家を出て東京に行く自分にそう言ってくれた母親。
その言葉にどれだけ勇気付けられた事だろう。
抱きしめてくれている腕を抱き返しながら今はいない母親を思い出し涙を流した。
この世界の自分。
現在12歳、もうすぐ小学校卒業して中学校へと進学する。
名前は藤原優仁。
性別は男性。
誕生日11月26日生まれ。血液型A型。
それを知った時だった。
パニックになっていた気持ちが嘘みたいに落ち着いた。
我ながら単純だと後に思えば苦笑した。
自分の大好きな人と同じ誕生日と血液型。
たったそれだけで恐怖心が消えたのだから仕方ない。
それから色々考えたけど、元に戻れないならこのまま過ごすしかないと言う事。
もしかしたらある日突然、元に戻るかもしれない。
ならば出来なかった経験を楽しもうと思った。
「一度、今の生活と変えてみるのも良いかもしれませんよ?」
「・・・・わかりました先生」
「何かあったら何時でも来てください」
「はい」
そう言って診察室から出る。
待合室で薬を待つ間、母親は父親に連絡しているようだった。
車で馬鹿広い自宅に帰宅すると母親はリビングに自分を呼び麦茶を出してくれながら難しい顔でこちらを見た。
「優仁、貴方おばあちゃんの家に住んで見る?」
「え?」
「気分転換に生活環境を変えるのもいいだろうって先生も仰っていたから、三鷹のおばあちゃんの家に暫く行ってみる?」
「三鷹?」
「ええ、お母さんのお母さんのいる所」
「中学校は?」
「え?あそこなら・・・三鷹市立かしら?」
「行く!行きたい!」
まさかの申し出だった。
パソコンで調べればこの世界には嵐はいない。
だけどジャニーズは存在した。
在る物と無い物の判断理由はわからないけど。