第6章 間章 その熱の意味
予定していた所までやって今度は大野君の分を記入していく。
本当なら駄目な事かもしれないけど、やらないで出せばいいじゃんなんて言ってた人だからなぁと苦笑してしまう。
時計の針が静かな部屋の中に響く。
何となく落ち着く。
そう思いながらも目に入った時刻。
そろそろお昼時だ。
物音を立てないように大野君の鍵を借りて一度家から出ると近くのスーパーで簡単に買い物をして戻る。
目が覚めたらお腹空くだろうから。
お鍋を火にかけて鍋焼きうどんを作る。
おばさんの作ったおかゆの方が良ければそっちを食べればいいし、もっとちゃんとしたものが良いと思ったらこっちを食べればいいからと作っていると階段を降りてくる音が聞こえた。
「あ、優仁来てたの?」
「う、うん。ごめん五月蝿かった?」
「んにゃ別に、・・・なに?すっげー美味そうな匂いする」
「鍋焼きうどん作ってみたんだけど、食べる?あっ、無理そうならこっちにおばさんの用意してるおかゆがあるから暖めるけど」
「うどん食べる」
「そう?ちょっとまってね」
「優仁作ったの?」
「う、うん。あ、味の保障は出来ないけど」
「ふっ、なんだよそれ」
寝起きの擦れた声にドキドキする。
まだ幼いのにこんなにカッコイイのって本当にズルイ。
ダイニングテーブルの椅子に座った大野君の前に緊張しながら作った料理を置く。
冷蔵庫から麦茶を出してコップに入れてそれを渡せば小さく言われるお礼。
何となくする事がなくて向かい側の椅子に座る。
「ククッ食べにくいってッアハハハ見すぎッ」
「ごっごめんッ」
「いやッ・・・ククッ」
楽しそうに笑った後、ズルズルと良い音をたてて大野君がうどんを食べる。
「うまっ!!これすげー美味いッ!」
「本当に!?良かったッ!」
「優仁料理上手すぎ」
「そんなことないよ」
「俺これ超すき」
好きって言葉に思わず言葉を詰まらせる。
心臓がドキッとして思わず大野君を見れば何故か言った大野君も固まっていた。
え?と思うと次の瞬間には顔を真っ赤にさせる。
熱が上がった!?どっどうしよう!?
まさか自分の作った物が原因かもと思うと本気で慌てる。
「はっ吐いて!!」
「は?」