第5章 夏の思い出
O視点
憂鬱な梅雨があけると蒸し暑い夏がやってきた。
年々上昇傾向にある気温に若干ウンザリしながらも待ちに待った夏休みが明日から始まると言う事で終業式を終えたクラス内は浮かれていた。
「えー、夏休みだからと言って皆ハメを外さない様に!ルールを守って生活するように!!新学期に提出する夏休み帳などのやり忘れ等ないようになっ!」
担任のそんな挨拶で終わり解散となったクラス内、それぞれが夏休み中の予定等を話し始める。
そんな中、帰り支度をしていた優仁の側に女子達が集まる。
「ねえねえ藤原君達は夏休みの予定って何か決まってるの?」
「え?いや、コレと言って別に」
「そうなんだ!だったらさ、明日皆でプール行こうって話しになってるんだけど、藤原君達も一緒にどうかな?」
「え?」
女子達の勢いに困ったように優仁はこちらを見る。
以前少し話たけど、優仁も俺と似て女子と話したりするのが得意ではないらしい。
気を使うのが難しいし、何を話したらいいのかわからないと、困ったように笑っていた。
「いいじゃん行こうぜ!!」
「なになに?皆で行くの?だったら俺らも行く!!」
本人の得手不得手とは別に優仁の周りは自然と人が集まる。
本人の人柄が一番の理由なのだろうけど、こういった光景はクラス内では珍しくない。
ドンドン進んでいく話に困った様子の優仁を見て俺も鞄を持ってその輪に近づく。
「優仁どうするん?」
「智君は?」
「俺?うーん・・・面倒くせぇ様な気もするけど、優仁が行くなら行こうかな?」
「本当に?無理してない?」
「してないって、気ぃ使いすぎ」
そう言ってポンッと肩を叩けば優仁ニッコリと笑って自分も参加すると長友達に告げた。
最初は四五人で行く予定だった筈のプールは、気が付けば予定の合うクラスの半数が参加と言う大規模な話になった。
楽しみにしてるねと女子達に声をかけられながら俺達は帰り支度をして教室から出た。
「しっかし、藤原も大野もくそモテるな!!羨まし過ぎだぜ」
「はぁ?んなことないって」
「そうだよ」
「自覚ナシかよ、ハァー納得いかねー!!」