第5章 夢への交響曲
爆「くっそ!あの歌バカ女…!先に行かれてたまるかよ…!」
マ「1-A爆豪も上からだー!イレイザー!お前のクラス、クレーバー!!」
えっ、爆豪?!
どうやら後ろで爆豪が仮想敵の頭上を越えて突破したことを実況で知る。
…ってことは、トップは轟君かな…。
そんなこと頭の片隅で考えながらも、「風よ、巻き上がれ!」と強く思う。
そして、第一関門を突破すると次に見えたのは、離れた大地を繋ぐのはロープ一本。
マ「第2はどうさ?!落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!ザ・フォーーーーーーール!」
少し大げさなプレゼントマイクの実況を右耳から左耳へと聞き流す。いわゆる綱渡りだ。
…なるほど、ここも風に身を任せて飛んだ方が速いね!
というわけで、ジャンプする力を調整しながら、大地を伝って突破していく。
すると、少し先のほうで轟君が第二関門を突破するのが見えた。
轟「歌…と、爆豪も」
そう呟くのが聞こえてふっと後ろを見ると、爆豪もすぐそこまで迫っていた。
爆「てめぇら二人…ぶっ潰す!」
爆豪の表情がこれ以上ないくらい、憤りをあらわにしていた。
マ「戦闘が一足抜けて下はダンゴ状態!上位何名が通過するかは公表してねぇから安心せずに突き進め!」
あ、安心できねぇ―!
と思いつつも、私は歌うことをやめる。
マ「そして早くも最終関門!かくしてその実態は…!
一面地雷原!怒りのアフガンだ!!地雷の位置は良く見りゃわかる仕様になってんぞ!目と脚、酷使しろ!!」
『じっ、地雷かい!』
マ「ちなみに威力は大したことねぇが、音と見た目は派手だから失禁必死だぜ!!」
なぜかものすごくうれしそうに語るのは気のせいだろうか…。
私は、そんなことを考えつつも、地面全体に「地雷よ、割れるな!!」と、強く念じ歌い、アフガン地帯を恐れることなく、走り出す。
ただ、ここまでぶっ通しで歌を歌いながらコースを駆けてきたので、そんなに早くは走れない。轟君を少し後ろから追う形になる。