第5章 夢への交響曲
そして2週間が過ぎ、体育祭当日―――――――。
マ「雄英体育祭!ヒーローの卵たちが我こそはとシノギを削る年に一度の大バトル!
どうせテメーらアレだろこいつらだろ?!敵の襲撃を受けたにもかかわらず鋼の精神で乗り越えた奇跡の新星!!!!ヒーロー科1年!A組だろぉぉ!!!」
プレゼントマイクの大げさなクラス紹介により、私たちは入場行進する。
…うん、持ち上げられてる感、強いね。
さらに続々とほかのクラスも入場してくる。全クラスの入場が終わると1年主審の18禁ヒーローミッドナイトが壇上に上がる。
ミ「選手宣誓!1-A 爆豪勝己!!!」
『えっ』
緑「え~~~~、かっちゃんなの?」
瀬「あいつ、一応入試通過1位だったからな。」
『うっそ、そうだったんだ…。』
そして、爆豪が壇上に上がる。A組全員が心配そうに彼を見つめる中、けだるそうにぽっけに手を突っ込んだまま、選手宣誓を始めた。
爆豪「せんせー
俺が1位になる」
切『「絶対やると思った!!!!」』
他「調子のんなよA組おらぁ!!!」
天「なぜ品位を貶めるようなことをするんだ!!!」
他「ヘドロヤロー!」
なんともまぁ、当たり前なのだが。全員ブーイングの嵐が巻き起こる。爆豪はそれをものともず
爆「せめて跳ねのいい踏み台になってくれ」
と、親指で首を真横に動かす(よい子も悪い子もぜったいやっちゃだめ!)しぐさをした。そしたらまたブーイングの嵐が。
あーあ、何やってんだが…。
思わずあきれてしまった私だが、次の瞬間大型ディスプレイになぜか私の顔がドアップでうつされる。
爆豪に、指をさされていた。
『……え?何か喋ったほうがいい?』
爆「…約束、忘れんなよ。」
『約束………っ。』
“俺が1位になったら、俺のモンになれ。”
思い出しただけで、顔に血が集まるのが分かった。すると、観客席から「わあああああ!」と歓声が上がる。
マ「おおっと!これは青春の香りだぁぁぁ!」
せ、青春って。プレゼントマイクよ、やめてくれ。
私は恥ずかしくて顔を両手で覆ってしまった。