第4章 胸に秘めし狂詩曲
次に目を覚ました時は、見慣れない天井が広がっていた。疲れは完全にとれており、すんなりと体を動かすことができた。
とりあえず、あれからどのくらい経過したのか、知るためにスマホを手にする。
スマホに表示された日時を確認するとあれから、一日しか経過しておらず、しかも今は朝の9時と表示された。
『おおぅ…。』
何より驚いたのが、通知画面にはクラスのみんなからの大量のメッセージが。
そうか、それだけみんなに心配かけてしまったのか…。
皆からのメッセージに思わず涙がこぼれそうになるのを堪えて、一つ一つ確認していく。
<お茶子ちゃん:歌ちゃん、大丈夫??とりあえず明日1日は臨時休校だって!だからゆっくり休んでね!>
<梅雨ちゃん:歌ちゃん、大丈夫かしら?何事もないといいわね。あんまり無理しちゃだめよ、緑谷ちゃん同様に。>
大体のメッセージは、心配するものだった。確認したメッセージから一つ一つ返信をしていく。
あぁ、自分の顔がものすごくゆるみきった変な顔になっているんだろうな…。
<飯田君:体調は大丈夫か?クラス委員長としてお見舞いに行きたいが、俺は別の用事で行けそうにない!代わりに轟君がお見舞いに行くそうだ!いいか、おとなしく待っているのだぞ!>
飯田君からのメッセージを確認する。否、確認してしまった。なにこれ、どう返信したらいいの。返信に内容に迷っていると、ガラガラと扉が開く音がした。