第4章 胸に秘めし狂詩曲
【歌side】
ざわざわと声がする。多くの人が話をする声。そして暖かい何かに包まれている感覚を覚える。
…あれ、わたし言霊をつかって、…そうだ、約束。大切な人を守るために、滅びの詠を使って…。
まどろむ意識の中で、少ない思考力を総合結集し、考える。
『…んっ…。』
爆「?!歌?!」
誰かが私呼ぶ声がする。この声は目を開けずともわかる。
『ば…くごう…。?』
轟「おい、大丈夫か?!」
ゆっくりと目を開けると光がまぶしい。そのまぶしさに目を細めると、心配した表情の爆豪と、轟君、それからお茶子ちゃんやら梅雨ちゃんやら、何人かの生徒と先生方が覗き込んでいる。
麗「よかった!目が覚めたみたい!」
お茶子ちゃんが緊張した表情を和らげる。どうやら心底心配さえてしまったらしい。
『……ごめん、みんな、ありがとう…。爆豪。また使っちゃった…。』
爆「うっせ!んなこたぁどうでもいいんだよ!」
爆豪に心配そうな表情をさせてしまったことに、謝罪すると、言葉は乱暴ながらも安堵した表情を見せる。
…あぁ、また心配させちゃったな…。
そして、周りが「使った?なにを?」を疑惑の声が響く中、
轟「とりあえず、動けそうか?」
と轟君がそう聞いてくるので、首を横に振って動けそうにないことを伝える。
さすがに、言霊使って滅びの詠を使うと尋常じゃないほどの体力消耗される。少なくとも今日明日は動けそうにない…。
ミ「そうね、とりあえず先生と同じ病院に運びましょう。なにか後遺症があるかもしれないし」
18禁ヒーロー・ミッドナイトがそう指示を出すのを聞いて私の意識は再び暗闇に飲み込まれた。