第3章 激動の序章曲
緑「体が壊れているのに…動いている?!」
オ「皆さがれ!なんだ?!ショック吸収の個性じゃないのか?!」
親「別にそれだけとは言ってないだろう。これは“超再生”だな」
男は意味深とも取れる助言をする。そうしている間にも、脳無と呼ばれた男は再び戦闘態勢に入る。そして、親玉の口から信じられない発言が飛び出す。
親「脳無はオールマイト、お前の100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバック人間さ」
あまりの衝撃に私は鳥肌が止まらなかった。この人を人とも追わない発言に、心拍数が上がるのを感じた。
目にもとまらぬ速さで爆豪のほうへと走り出す脳無。
そして瞬きをした瞬間、木々は揺れ目の前には大きな轍が出来上がっていた。
緑「かっちゃん!」
『爆豪!』
そして、気づくと爆豪は私の隣で呆然とした表情で腰を抜かしていた。
そのすがたにほっとしたのもつかの間、轍の先ではオールマイトが口の端から血を流しながらやっとの様子で立っていた。
どうやら、オールマイトが爆豪をこちらに突き飛ばし、守ってくれたらしい。
その姿に、心臓が脈打つ速さを落ち着かせてくれそうにない。
『だめだ…。』
緑「えっ?歌?!」
『それ以上は、ダメ…!』
轟「歌?」
むしろ、私の中にあの悪夢が、この地がみんなの死体で埋め尽くされる夢がよぎる。
だめだ、これ以上は、みんなが。
『ルダンジャール ロム マヤン』
そう思ったら、自分で自分のストッパーを外していた。