第3章 激動の序章曲
倒壊ゾーンを抜けると、セントラル広場は目と鼻の先だった。そして、そのセントラル広場で戦闘を繰り広げていたはずの相澤先生の姿はなく、代わりに彼らの真の目的である人物が戦闘を繰り広げていた。
『あれって…!』
誰もがわかるシルエット。それを見た私たちは居ても立ってもいられず、すぐさま駆けつける。
爆「どっけ!邪魔だ!!!デク!!!」
一番先頭を走っていた爆豪が黒い靄、もといワープゲートを地面に押さえつける。
『~♪~♪』
私もオールマイトと戦闘している敵に向かって応戦する。そして、その敵の体の半分が氷結に覆われていく。
轟「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた。」
聞きなれた声に振り向くとそこには、傷一つない轟くん。
切「だあああっ!」
切島くんは敵の親玉であろう人物に攻撃を仕掛けるが、簡単にかわされてしまう。
切「くっそ!いいとこねー!!」
爆「スカしてんじゃねぇぞ!モヤモブが!!」
『微力ながら助太刀いたします!』
轟「平和の象徴はてめぇらごときに殺れねぇよ」
それぞれが言いたいことを言いたいだけ言う。その場にいたいっくんが涙ぐんでいた。
そして、オールマイトは敵の力が緩んだ瞬間を狙って敵の手から逃れる。
『オールマイト!脇腹の傷、見せてください!』
オ「えっ?!優雅崎少女?!」
『今、言ったじゃないですか。微力ながら助太刀いたしますって。…リカバリーガールのような処置はできませんけど、傷を少しでもふさぐことはできるので。じっとしていてくださいね』
オールマイトの力になりたくて、私はすすんでけがの治療を申し出る。だた、リカバリーガールほどの治癒能力はないのでほんとに応急処置程度にしかできないのだが…。
轟「なら、俺らが敵を引き付ける。」
『轟君?!』
オ「轟少年?!」
切「おう!少しでもオールマイトの力になりますよ!」
轟君と切島君の心強い言葉に私は歌魂で「傷を癒して」と強く思いを乗せて歌う。すると、少しづつではあるが傷がふさがってゆく。