第3章 激動の序章曲
屋上へとたどり着くと、そこは人気もなくがらんとしていた。空も青々としており、時折吹く風が心地よくほほを撫でていく。
『あー!きっもちいいー!』
こういう天気のいい日は、歌うに限るよね!
そう、歌うために屋上へとやったきた。
『~♪~♪』
幸せ、楽しいという思いを乗せて歌を紡ぐ。
正直、邪な思い…人を傷つけるような効果はないと思うが、何かがあってからでは遅いので、お茶子ちゃんたちに聞かれたときに、あえて少しはぐらかすように言ったのだ。
あぁ、幸せだなぁ…。
一曲歌い終わったとき、拍手が響く。
拍手がしたのは、私の後ろから。振り向くと、右が白、左が赤い髪、顔にはやけどであろう傷をおった、確か、同じクラスの少年が、拍手をしていた。
『えっと…』
正直に言おう。
………だれだっけ。